2016年9月 東北の飯豊連峰を3泊4日の行程で縦走してきました。
福島、新潟、山形の三県にまたがる巨大な山塊で、朝日連峰と合わせて東北アルプスとも呼ばれるています。
3日目と4日目は晴天に恵まれ、想像を超えた爽快な稜線歩きを楽しむことができました。
「飯豊は良いでぇ!」と叫びたくなる、そんな山行でした。
百名山に選ばれている主峰の飯豊本山は、
通常コースタイムでは最低でも山中に1泊しなければ往復できない山深さです。
今回は新潟から福島へ、飯豊連峰の主脈を北から南に縦走します。新潟の権内尾根を登り、200名山の朳差岳、連峰最高峰の大日岳、百名山の飯豊山を縦走し、福島の弥平四郎へ下るコースです。
総歩行距離50キロ、総標準コースタイム30時間の行程です。
名古屋からの移動距離を考えると4日間は欲しいところ。
移動時間を睡眠時間に利用できるよう、今回は車での移動は断念し、名古屋駅から新潟駅行の名鉄バスの夜行バスを利用しました。
人気の路線のようで、週末の予約は早い段階で満席になってしまいます。
乗車日の1か月前から予約受付が開始されるのですぐに予約を取りました。
早めの予約がおススメです。
9月22日 22:40 名古屋駅の名鉄バスセンターからバスが発車します。
バスセンターにはコンビニがあるので飲み物、食べ物の調達には困りません。
今回のバスは3列独立シートでトイレもありました。
各席にコンセントがあったので、スマホの充電もさせてもらいました。
また、発車時に紙パックのお茶が1人1つ配られました。
バスは途中、中央自動車道 恵那峡SAと北陸自動車道 米山SAに休憩のため停車します。
快適なシートのおかげでぐっすり眠ることができました。
外が明るくなり始めると三条駅などに停車の後、05:40 新潟駅に到着です。
駅前のコンビニで朝食を調達します。
06:07 新潟駅4番線発のJR白新線に乗車します。
06:45 終点の新発田駅で羽越本線に乗り換えます。
07:11 坂町駅に到着。ここで米坂線に乗り換えます。
大杉谷に行った時に乗車した紀勢本線以来のディーゼルエンジンの気動車です。
車窓には収穫を間近に控えた田んぼが広がります。
07:54 越後下関駅に到着。
駅には事前に予約をしておいた荒川タクシーが待っていてくれました。
タクシーは大石ダムを通過し、駅から20分程で登山口へと続く林道起点の東俣彫刻公園に到着。
ゲートがありここから先には一般車両は入れません。
この時点でAUの電波は入らなかったので、ここを下山口とする場合は、まだ標高の高い電波の入るところで事前にタクシーを呼んでおく必要があります。
登山届のポストがありますが、用紙がありませんでしたので、事前にインターネット等で提出しておくのがおすすめです。
ゲート前には車が1台止まっていましたが、少なく見ても5台は駐車できるスペースがありました。
トイレはゲート手前の公園にありますが、照明や明り取りの窓がないため、日中でもヘッドランプを持って行った方が良いでしょう。
08:40 準備を済ませて歩き始めます。ここから登山口まで林道歩きが1時間ほど続きます。
09:50 林道終点の登山口に到着。
鉄製の橋を渡り登山道へと入ると、しばらくはブナの森が美しいなだらかな道です。
しかし、そんな快適な道は長くは続かず、道幅の狭い谷側に傾斜した道など気の抜けない道が出てきます。そしてしばらくすると、権内尾根の急登が始まります。
途中、登山道にはいくつも熊の糞がありました。
クマ鈴を携行していましたが、獣臭が漂ってくることもありました。
12:00 延々と続く急登を上り続けるとカモス峰に到着。
森林限界少し手前で雨が降り出してしまいました。
15:00 前朳差岳に到着。
雨が降っていますが幸いにも視程はそれなりにあり、朳差岳への美しい稜線が続いています。
こんな天気でも稜線歩きは心が弾んで足取りが自然と軽くなります。
稜線を歩いていくと長者平の池塘が見えてきます。登山道の水はけもあまりよくなく、坂の部分は滑りやすいので注意が必要です。
15:50 杁差岳に到着です。
歩いてきた権内尾根と前杁差岳を見下ろすことができます。
反対側には本日の宿泊場所の杁差岳の避難小屋が見えます。抜群のロケーションに、こじんまりとした小屋が絵になります。
避難小屋は2階建てで、手入れが行き届いて綺麗です。水場は沢沿いを10分ほど下ったところにありました。
道はあまり整備されていないので、サンダルではなく登山靴を履いていったほうがいいです。
綺麗な湧き水で水でしたが、雨天のためか草の香りがしました。笑
初日は東俣彫刻公園(標高190m)から権内尾根を経て、杁差岳(標高1636m)まで登ってきました。
明日からの絶景の稜線歩きを期待して眠りにつきます。
2日目に続く