2016.05 大杉谷-大台ケ原山 一泊二日で堪能する渓谷美 1日目

2016.05.21-22 日本三大渓谷の一つに数えられる大杉谷と、
日本百名山の大台ケ原山に行ってきました。

大杉谷、大台ケ原は三重と奈良に位置し、吉野熊野国立公園に指定されています。
2004年9月の台風被害で大杉谷のトレッキングコースで大規模な岩盤崩壊があり、
長らく大杉谷-大台ケ原は通り抜けることができませんでしたが、
2年前の2014年に整備が完了し、10年ぶりに再び通過することができるようになりました。

エメラルドグリーンの清流宮川と幾多の滝を眺めることのできる渓谷歩き、
大台ケ原への登りごたえある登山、大台ケ原でのハイキングとバリエーション豊富なルートを一挙に歩けるお勧めのコースです。

登山のスタート地点となる大杉谷の入り口は三重県ですが、
ゴールである大台ケ原山は奈良県側に下山することとなるため、
公共交通機関の利用が一般的です。

今回の山行では、三重の松阪駅まで車で行き、
そこから先は鉄道、バスの公共交通機関を利用しました。

—–5月21日(土) 1日目—–

JR松阪駅に向けて出発します。
松阪駅の最寄りのI.C.は伊勢自動車道 松阪I.C.です。
コンビニはI.C.から駅に向かう道や、駅前にもありますので、
買い出しの環境に不足はありません。

JR松阪駅前のコインパーキングに車を止めて、松阪駅に向かいます。
今回は北口のコインパーキングを利用しましたが、
JRに乗車する場合は南口のコインパーキングを利用したほうが、
ホームまで歩く距離が少なくて済みます。

伊勢志摩サミットを控えていたので、松阪駅はたくさんの警察官が警戒に当たっていました。

券売機で切符を購入し、09:16発の特急ワイドビュー南紀1号・紀伊勝浦行に乗車します。
この日、自由席車両は1両だけでしたが、松阪駅からでも自由席に座ることができました。
気動車ならではのディーゼルエンジンの音をとどろかせて列車が発進します。
のどかな風景を眺めていると、三瀬谷駅に到着。(09:47)
紀勢本線 三瀬谷駅

三瀬谷駅から登山バスの出発場所である「道の駅奥伊勢大台」まで10分ほど徒歩で移動します。

雲一つない快晴に恵まれました。
三瀬谷駅

道の駅で登山バスの受付を済ませ、10:30の発車時刻まで買い物をして時間をつぶします。

この登山バスはエスパール交通が運航しており、3日前までに事前予約が必要です。
今回は直前まで天気を見極めて3日前に電話をしたところ、残席わずかながら予約することができました。
三瀬谷駅から出発する便もあるそうで、早めに予約をするとそちらに乗ることもできるそうです。
ちなみに、発車時刻の10:30は東京から始発の新幹線に乗ることで間に合います。

バスは出発すると清流宮川沿いの道をさかのぼっていきます。
途中、宮川ダム湖のほとりに位置する登山センターで小型のバスへの乗り換えと休憩があります。
トイレと登山届の提出はこちらで済ませることができます。
これより先は大台ケ原までAUの電波は入りませんでした。

小型のバスに乗り換え、ダム湖沿いの幅員の狭い道をしばらく走ると登山口に到着です。(12:00)
駐車場はほぼ満車でした。こちらにもトイレがあります。
宮川第三発電所の脇を抜けて、今日の宿泊地、桃ノ木小屋に向けて登山開始です。
宮川第三発電所

いきなりスリル溢れる崖道。いつか行きたい憧れの黒部峡谷の下ノ廊下を彷彿させます。大杉谷

コースは明瞭で整備状況もよく、危険個所には写真のように山側に手すりの鎖が張り巡らされています。
とはいえ基本的には崖道が続くので、ながら歩きは危険です。
景色を見るときや、写真を撮るときは足を止めて心行くまで満喫しましょう。
大杉谷

最初のつり橋である大日嵓吊橋に差し掛かります。
このコースにはつり橋がたくさん登場します。
大杉谷_大日嵓つり橋

苔むした岩が見事です。
大杉谷

この辺りは降水量が多く、特に大台ケ原では「月に35日雨が降る」と言われるように、
年間降水量が5,000㎜を超えることもあるそうです。
東京都の年平均降水量が約1,500㎜なので3倍以上の雨が降ることになります。

熊谷吊橋、地獄谷吊橋、日浦杉吊橋を経て、千尋滝が見えるスポットに到着。
ちなみに「ちひろ滝」ではなく、「せんぴろ滝」と読むそうです。

大杉谷_千尋滝

崖沿いの道や、
大杉谷

水が滴る岩のトンネルをくぐります。
大杉谷

14:30 本日のハイライト「猪ヶ淵」に到着。
こちらは「ししぶち」と読むそうです。
大杉谷_猪ヶ淵

切り立った峡谷の清流に差し込む陽光との奥に控える滝。
静謐で厳かな、でも居心地が良い神秘的な雰囲気を感じさせる空間でした。
最近は下火になりましたが、いわゆるパワースポットですね。
大杉谷_猪ヶ淵

休憩を取り、たっぷりパワーを充電して先に進みます。
登山道は猪ヶ淵を見下ろすよう登ります。
大杉谷

猪ヶ淵をのぞき込みます。結構高度感があります。谷側に手すりはないので転落注意です。
大杉谷_猪ヶ淵

先ほど猪ヶ淵の奥に見えた滝はニコニコ滝と名付けられています。
大杉谷_ニコニコ滝

先に進むと、平等嵓吊橋が現れます。迫力ある岩壁と、高度感のあるつり橋が印象的です。
大杉谷_平等嵓吊橋

この「嵓」という字は、この登山でたびたび登場するのですが、
切り立った崖を意味するそうです。

吊橋を渡った対岸から。
大杉谷_平等嵓吊橋

若干のアップダウンとフラットな崖道を桃ノ木小屋を目指して進みます。
大杉谷

16:00 この日の宿泊地である桃ノ木小屋に到着です。
大杉谷_桃ノ木小屋

大杉谷_桃ノ木小屋

桃ノ木小屋にはお風呂があります。
定員3名程度の小さい風呂ですが、タイミングよく空いていたので
待つことなく汗を流すことができました。

小屋のお兄ちゃんからビールを買い、外の渓谷沿いで一杯飲みます。
大杉谷_桃ノ木小屋

小屋にはまだ余裕があり、寝床は布団1枚と十分なスペースを割り当ててもらえました。

夕食は交代制で、受付の際に到着順で色分けされた札を渡され、
その色によって喫食時間が決められています。
私は4交代の中の3回目でした。

夕食はカツカレー。おいしかったです。

食後は小屋の外のテーブルで星空観察のために消灯時刻を待ちましたが、
残念ながらこの日は月が明るかったため、星を見ることはできませんでした。

深い峡谷に位置していて町の光が届かないため、
月齢などの条件が整ったときは満点の星空を見ることができるそうです。

2日目に備えて就寝します。

おやすみなさい。

2日目につづく

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